​脂質

​脂質とは

 脂質は、細胞膜や核酸、神経組織などの主要な構成成分であり、主要なエネルギー源となります。

1g当たり約9kcalのエネルギーを生み出します。

​さらに、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)やカロテノイドの吸収を助けます。

脂質は4種類あり、中性脂肪(トリグリセライド)、脂肪酸、コレステロール、リン脂質です。

 脂質の過剰摂取はエネルギーの取りすぎにつながり、肥満や脂質異常症の原因となります。

脂質は近年摂りすぎの傾向にあるので、油を使った料理を控えたり、脂質が少ない材料を選んだりして油の取りすぎに注意することが必要です。

肉なら赤身、魚なら腹側より背側は脂質が少なくなっています。

​脂肪酸の種類

 中性脂肪(トリグリセライド)には脂肪酸が含まれますが、その脂肪酸の種類によって体内の働きや代謝の仕方が異なります。脂質を健康維持に役立てるには、その「量」と「質」に配慮することが大切であり、その質を決めるのは脂肪酸です。

脂肪酸は、炭素鎖の長さと二重結合の有無、二重結合の位置によってさまざまな種類に分類されます。

①炭素鎖の長さ

 短鎖脂肪酸(炭素数6以下)、中鎖脂肪酸(炭素数8~12)、長鎖脂肪酸(炭素数14以上)に分類されます。

天然に存在する脂肪酸のほとんどは炭素数が偶数個であり、14~20までのものが多くなっています。

②二重結合の有無・位置

 脂肪酸の構造の中で二重結合を含まないものを飽和脂肪酸、含むものを不飽和脂肪酸と呼びます。

二重結合が1個のものを一価不飽和脂肪酸(n-9系、オメガ9脂肪酸)、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸と呼び、二重結合のある場所によって、n-9系脂肪酸(オメガ6脂肪酸)、n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)に分けられます。

​飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸は摂取比率1:1~1:2がベスト

 肉食が広まり、動物性脂質が多く摂取されることで、飽和脂肪酸の摂取比率が高まっています。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の摂取比率は、1:1~1:2が望ましいとされています。

​飽和脂肪酸

 飽和脂肪酸を多く含む脂質は、融点(個体が溶解する温度)が高いため、常温でも個体でもあることが多くなります。重要なエネルギー源ではありますが、過剰摂取は控え、不飽和脂肪酸との摂取比率を良好なものとする必要があります。また、不飽和脂肪酸に比べ、酸化されにくいという特徴があります。

含まれているもの:肉類、油脂類(バターなど)、乳製品、ベーコン、鶏肉の皮、フォアグラ、卵黄

飽和脂肪酸を摂りすぎると

​ 飽和脂肪酸は、中性脂肪(トリグリセライド)・コレステロールの原料なので、摂りすぎると体内での中性脂肪・コレステロールの合成が進み、血中脂質を増やします。
高LDLコレステロール血症・高中性脂肪血症を招き、動脈硬化を促進させ、心筋梗塞などの原因となります。

​飽和脂肪酸を摂りすぎない食生活

①肉類は脂身を避けて食べます。鶏肉は、肉類の中でも飽和脂肪酸は少なめです。ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工品は、脂身の多い部位で作られているので注意しましょう。

②牛乳やチーズ、バターなどの乳製品は飽和脂肪酸が多いため、控えめにします。

③炒め物は、フッ素加工のフライパンを用いると、油が少ない量で済みます。

④揚げ物は、焼き揚げにするなどして油の使用量を抑えます。

⑤菓子類は、飽和脂肪酸を多く含む生クリームやバターなどをあまり含まない和菓子がよいでしょう。

​不飽和脂肪酸

 不飽和脂肪酸を多く含む脂質は、融点が低いため、常温では液体で存在します。また、飽和脂肪酸に比べ、酸化されやすいという特徴があります。

不飽和脂肪酸は、以下の3つに分かれます。

①一価不飽和脂肪酸のn-9系脂肪酸・オメガ9脂肪酸(オレイン酸など)、

②多価不飽和脂肪酸のn-6系脂肪酸・オメガ6脂肪酸(リノール酸・アラキドン酸など)

③n-3系脂肪酸・オメガ3脂肪酸(αーリノレン酸・EPA・DHAなど)

に分類されます。

n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸は必要量を体内で合成できないので、必須脂肪酸と呼ばれています。

含まれているもの

オメガ9脂肪酸・・・オリーブオイル・サンフラワー油(高オレイン酸精製油)など

オメガ6脂肪酸・・・ごま油や種子類、大豆、サンフラワー油(高リノール酸精製油)、くるみなど

オメガ3脂肪酸・・・魚油やアマニ油、えごま油、まぐろ、ブリ、いわし、サバなど

​体内での働き

 体内では、血中LDLコレステロールの低下作用や、n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)については、EPAおよびDHAは心疾患や脳卒中、糖尿病、乳がん、大腸がん、肝がん、加齢黄斑変性、認知障害、うつ病などの予防効果の可能性があると言われています。

​オメガ3とオメガ6は1:5

 オメガ3、オメガ6の摂取率は、石器時代には1:1であったといわれ、それが人間の健康にとって理想的な摂取比率だと考えられています。

現代人にとって望ましい比率は、少なくとも1:5。ところが、現代では、オメガ3とオメガ6の摂取率が1:20にまでなっているといわれています。

オメガ3とオメガ6のバランスがこれほどまでに崩れている理由のひとつが、オメガ6の過剰摂取。

現在よく使われている油は、コーン油やサラダ油など、ほとんどがオメガ6を含む油。私たちは、これらの油を、家庭はもちろん、外食時に知らず知らずのうちに摂取することで、オメガ3とオメガ6のバランスが崩れ、オメガ3が相対的に不足しているのです。