​高尿酸血症・痛風の基礎知識

高尿酸血症・痛風とは

 血液の中には尿酸という物質が含まれていますが、

その濃度(血清尿酸値)が高くなる(7.0mg/dl以上)

のことを「高尿酸血症」といいます。

 

そして、その尿酸値が高い状態が続き、尿酸が間接に

付着して炎症が起きた状態を「痛風」といいます。

 1960年代以前の日本では、「美食」や「大酒」が

関係し贅沢な暮らしをする人がかかる「ぜいたく病」

といった特別な病気だと考えられ、一般的な病気では

ありませんでした。

しかし、1960年代以降、高度経済成長とともに日本人の食生活は野菜や炭水化物中心から高タンパク、高脂質、高カロリーな食生活へと変化し、それに併せるように痛風患者の多くは中高年の男性と閉経期以降の女性に見られます。

また、痛風の原因が、生活習慣病の食べ過ぎ、飲みすぎ、運動不足などど共通するため、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの合併症なども少なくありません。

 

 合併症は、本人が気づかない間に進行していき、自覚症状を感じないままに、腎臓の働きが低下して腎障害を引き起こしたり、動脈硬化が少しづつ進行していくこともあります。動脈硬化がひどくなると脳血管障害、虚血性心疾患を起こしやすくなります。

​高尿酸血症・痛風の原因

 痛風は、高尿酸血症が原因となっておこります。高尿酸血症は尿酸が血液中にたまりすぎた状態をいい、遺伝的な体質と食べ過ぎ、飲みすぎ、運動不足といった生活習慣的な要因が関係していることが分かってきています。

尿酸が体内に増えるタイプには以下のタイプがあります。

①尿酸が排泄されにくいタイプ(排泄低下型)

②尿酸がつくりだされやすいタイプ(産生亢進型)

③両方(①と②)を併せ持つタイプ(混合型)

①の原因は、尿酸は腎臓でろ過された老廃物となり排泄されるが、腎臓機能が低下することによって尿酸が排泄されにくくなることがあげられます。

②の原因としては、尿酸はプリン態が分解されてできる代謝産物であるが、その代謝過程の障害により尿酸が多く作られて過ぎてしまいます。また、食物として体内に取り入れるプリン態の量が多いといったことも該当します。プリン体を多く含む食物を取り入れると肝臓に尿酸の原料が多く送られるため、尿酸値が高くなります。

日本人に多いのは、①尿酸が排泄されにくいタイプ(排泄低下型)です。

高尿酸血症・痛風の症状

​ 痛風は、突発的で強烈な関節の痛みが起こることが特徴です。これを、痛風発作といい、夜から明け方にかけて起こることが多いです。また、ほとんどの場合、発作は足の親指の付け根部分に起こりますが、足の親指以外の指、足首、ひざ、手の指、手首などの間接にも起こることもあります。患部は赤く腫れあがり、「風が触れただけでも痛い」といわれるほど痛むので、靴を履いたり、立ち上がったり、歩くことなどもできなくなります。

高尿酸血症・痛風の​診断基準

 高尿酸血症は、血清尿酸値が7.0mg/dlを超えるものを指します。

高尿酸血症・痛風の​治療

​薬物療法

 痛風発作が起きた場合は、炎症を抑える薬と、発作が再発しないように白血球の働きを弱める薬を投与することが基本となります。

 そして、痛風発作の再発防止のためには、高尿酸血症の改善が必要となることから、血液中の尿酸値に応じて、尿酸降下薬を服用するかどうかを医師と相談します。尿酸降下剤には、尿酸の排泄を促進する薬と尿酸の産生を抑制する薬があります。これらの薬は、関節痛などの痛みの有無にかかわらず、きちんとした管理の下で服用する必要があります。

​食事療法

 高尿酸血症や痛風は、過食、肥満、飲食習慣、

ストレスなどが最大の要因です。

 

そのため、高尿酸血症や痛風と診断されたら、

食事や運動などの生活習慣の改善を行います。

①体重と尿酸値には深い関係があるので、過体重にならない

ように食事のエネルギー量を調節することが不可欠になります。

 

具体的には、高タンパク、高エネルギーに偏らないような

献立にするなどの工夫が必要です。

また、以前は身体の中で尿酸に変化する「プリン体」を多く

含む食品(動物の内臓、肝類など)を控え、1日に摂取する

プリン体の量は400mgを超えないようにします。

②アルコール摂取量を減らす

 過剰なアルコールの摂取は、痛風の原因の1つです。そのため、ほどほど(1日日本酒で1合、ビール中瓶1本程度)にするのが望ましいです。特に、ビールは他のアルコール類に比べてプリン体が多いので、注意が必要となります。

③野菜、海藻、水分をしっかり摂る

 尿酸は、尿が酸性に傾くと溶けづらく排泄されにくくなるため、尿路結石を起こしやすくなります。尿をアルカリ化しやすい野菜や海藻類などはプリン体の少ない食品なので積極的に摂取します。また、尿量が増えると尿酸は排泄されやるいため、水分を多く取るように心がけます。

​運動療法

 ウォーキングや軽いジョギング、ゆったりとしたペースでの水泳、サイクリングなどの有酸素運動は尿酸値に影響を与えないので適しています。また、続けることで体脂肪の減少や糖代謝異常の改善などをもたらすため、よてもよいです。一方、短距離走などの無酸素運動は、老廃物である尿酸の生成を促進させ、尿酸値を増加させるので避けます。